ジャガイモの花
美瑛の夏はジャガイモの花から
6月中旬を過ぎると、美瑛の丘や近郊でジャガイモの花があちらこちらで花をつけ始めます。
北海道では単に「芋(いも)」といえばジャガイモのこと。
いちいちジャガイモ、ましてや馬鈴薯などとは呼びません。それほどポピュラーな食材であり呼び名も様々です。
まるで蝋細工のようなそのジャガイモの花は品種によって咲く花の色が違います。
日本での代表的な品種は:
※男爵(だんしゃく)
※メークイン
※キタアカリ
※インカのめざめ:2002年に種苗登録
※デジマ
など花の色はもちろん、形や大きさも様々。
連作障害
ジャガイモは連作障害が発生しやすいために、毎年同じ場所での植え付けはしません。
連作を行うと土壌のバランスが崩れ単純に生育が悪くなるだけでなく、病害や寄生虫が発生しやすくなる。
特にジャガイモに大きな被害を与える原因として、ジャガイモシストセンチュウによる生育阻害がある。
このセンチュウは地中で増殖し高密度になるとジャガイモの生育を大きく妨げる。
ただこのセンチュウはジャガイモには被害を与えるが人体には無害であり、センチュウは動物糞から伝染するとされている。
そのため、日本ではアイルランド経由以外の検疫を受けていない塊茎類の直接持ち込みは禁止されている。
植物防疫法の指定種苗とされ種芋の販売が規制され、検査が義務づけられている。
秋の収穫が楽しみ
ジャガイモ 馬鈴薯(和)
ビタミンCの宝庫:
トマトと同じナス科で、デンプン源だけでなくビタミンやカリウムも多く含んでいる。
特にビタミンCが豊富で、フランスでは「大地のリンゴ(pomme de terre:ポム・ド・テール)」と呼ばれる。ジャガイモのビタミンCはデンプンに保護されるため加熱による損失が少ないという。
またジャガイモの皮は、それを使ってガラスや鏡を磨くと曇り止めになる。
「にどいも(二度芋)」「さんどいも(三度芋)」や「南京イモ」「ごしょいも」と呼ばれる事もある。
開拓当初より、でんぷん原料としての用途もあり、近隣では寒冷地に適する救荒作物として作り続けられた。
一株から五升の収穫があったことから開拓初期には「ごしょいも」と呼ばれていた。
ジャガイモの花
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白い花
→ 農1(農林1号)、豊白(とよしろ)
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薄 紫
→ 男爵(だんしゃく)
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濃い紫
→ メークイーン、早生白(わせじろ)
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薄 紅
→ 雪白
ジャガイモの花といえばもちろん美瑛の丘が第一のお薦めですが、近隣では旭川市西神楽町の「就実の丘」。
その広大な大地一面に咲き乱れるジャガイモの花は圧巻の一言。
もちろん前述のように、連作障害を防ぐために毎年見られるわけではありません。